TOKYO MICROSURGERY CENTER FOR LYMPHEDEMA 東京リンパ浮腫手術センター

センターの理念

  • がん治療後リンパ浮腫のスクリーニング(早期発見/治療)システムのご提供
  • がん治療後リンパ浮腫のオーダーメード治療のご提供
    ―画像診断に基づいた適切な保存的治療・効果的な外科治療-
  • 多職種による充実したチーム医療・サービスのご提供

GREETINGSご挨拶

当センターは、がん治療後の患者様のQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)を改善させることを目的に設立いたしました。 がん治療(手術・放射線治療・化学療法など)後に一定の割合でおきる上肢や下肢のリンパ浮腫患者数は日本で約25万人と言われており、がん治療の進歩によるがんサバイバーの増加に伴い、今後も増加の一途をたどると考えられています。
リンパ浮腫の本態はリンパ管の不可逆的な変性であり、上肢や下肢がむくむ以前からリンパ管の変性は始まっています。これまでリンパ浮腫の治療は、むくみが外見的に目立つようになってから治療を開始することがほとんどであり、その場合リンパ管の変性はすでに進んでしまっているため、治療の効果は限定的になり治療が難渋することが多くなります。
近年、画像診断技術の進化に伴い、リンパ管の変性を早い段階で捉えられるようになってきています。また、リンパ浮腫に対する治療は、これまでの中心であった保存的治療(セルフドレナージ・圧迫療法など)に加え、適切な外科的治療(リンパ管静脈吻合術・血管柄付リンパ移植・脂肪吸引など)を取り入れることで、浮腫の改善や増悪の予防を行うことができるようになってきています。
当センターでは、乳腺外科・婦人科・看護師や理学療法士などの他職種との緊密な連携の下、リンパ浮腫の包括的診断・評価を行い、リンパ浮腫の早期発見・早期治療に注力するとともに、患者様のニーズに合わせた適切は保存的治療・外科的治療によるオーダーメード治療を提供していきます。さらに、関連施設である亀田総合病院リンパ浮腫センターと定期的に情報共有・相互研修を行い、スキルアップを図っていきます。

TEAM医師紹介

  • 西野輝泰

    東京リンパ浮腫手術センター センター長

    形成外科・整形外科・総合内科
    1976年 東京生まれ
    2002年 Mayo Clinic Elective Clerkship
    2003年 順天堂大学医学部卒業、医師免許取得
    日本在宅医学会会員、日本プライマリ・ケア連合学会会員
    形成外科学会会員、 日本整形外科学会会員

  • 林明辰

    東京リンパ浮腫手術センター 外来担当医・手術指導医
    亀田総合病院リンパ浮腫センター センター長

    形成外科
    1982年 東京生まれ
    2010年 順天堂大学医学部卒業、医師免許取得
    日本形成外科学会認定専門医、
    ・日本リンパ学会会員
    ・国際リンパ学会会員
    ・国際リンパ浮腫フレームワーク・ジャパン研究協議会 (理事)
    ・日本乳癌学会会員
    ・日本静脈学会会員
    ・日本超音波医学会会員
    ・日本乳房オンコプラスティックサージャリー 学会会員

  • 名取悠平

    形成外科・総合内科
    1977年 東京生まれ
    2003年 順天堂大学医学部卒業、医師免許取得
    日本形成外科学会認定専門医、日本創傷外科学会会員

RESULTS担当医のリンパ浮腫診療実績

症例数
2019年度
  • 保存療法
    398
  • 外科治療
    137
手術実績
  • 2018年度
    132
  • 2019年度
    173

ABOUT診療案内

取り扱っている主な疾患

  • 乳がん治療などによる上肢リンパ浮腫
  • 子宮がん・卵巣がん・
    前立腺がん治療などによる
    下肢リンパ浮腫
乳がん術後の手や腕のむくみ、子宮がんや卵巣がん術後の
足や太もも・ふくらはぎのむくみ、
お困りになっていませんか?
がんの治療では主に手術、放射線治療、化学療法などが行われますが、それらにより「リンパ浮腫」という腕やあしのむくみがある一定の割合で起きることが分かっています。 がん術後のリンパ浮腫は、これまでは腕やあしが太くなってから治療を始めるということがほとんどでした。リンパ浮腫の本態は、リンパ流路の障害であり、近年、技術の進歩により、腕やあしが目に見えて太くなる以前からそれらを捉えられるようになってきました。

がんの治療後に腕やあしのむくみやしびれ、違和感が気になっている方は、定期的な受診をお勧めいたします。新しい技術を用いた早期診断・早期治療により、これまで通りの普段の生活を継続することができるようになってきています。また、リンパ浮腫になり時間が経った方でも、これまでの治療に外科治療を取り入れることで症状の軽減や日常生活のQOL向上が期待できます。

東京リンパ浮腫手術センターの大きな特徴は、リンパ浮腫の予防から治療、検査、そして保存療法から外科治療まで全てを行えることです。高度なトレーニングを受けたリンパセラピスト(看護師、理学療法士など)と共にチーム医療にて診療を担当します。また、既存の複合的理学療法と最新の外科治療を融合させることで、科学的根拠に基づきより確実な効果が得られるよう、患者さまをサポートして参ります。
下記の症状や治療歴をお持ちの方は注意が必要です
  • がん術後で手や腕、足やふくらはぎ・太ももにむくみが出ている
  • がんの治療後で上肢や下肢にしびれやだるさ、蜂窩織炎(腕が赤くなって熱っぽくなる)を経験したことがある
  • がん手術でわき(腋窩)やお腹(骨盤内)のリンパ節郭清術を行なった

治療までの流れ

  • 初診
    過去のがん手術内容や既往歴・現病歴の確認、上肢・下肢の計測、浮腫の診察
  • 診断
    • ICGリンパ管造影、超音波検査
      (外来で可能)
    • リンパシンチグラフィ、
      SPECT-CT、MRI
      (必要に応じて、連携機関で撮影が必要になる場合があります)
    ※ご希望の場合に限り、検査結果を一緒に見ていただきながら現状のご説明をします。
  • 治療
    • 複合的理学療法ー包帯やスリーブなどによる圧迫療法、リンパドレナージ、スキンケア、運動療法など
    • 外科治療ー重症度に応じて、以下の3つの術式から選択します。
    • リンパ管細静脈吻合術
      (LVA: lymphaticovenular anastomosis)
    • 血管柄付きリンパ節移植術
      (LNT: lymph node transfer)
    • 脂肪吸引術(LS: liposuction)
    全身状態や現病歴、手術の侵襲度に応じて、
    連携機関での治療をお勧めする場合がございます。
当院では、国内外で1500例以上のリンパ浮腫手術・診療を行ってきた医師が診療を担当いたします。
また、高度なトレーニングを受けたリンパセラピスト(看護師、理学療法士など)と共にチーム医療にて診療を担当します。
既存の複合的理学療法と最新の外科治療を融合させることで、科学的根拠に基づき、より確実な効果が得られる治療を行って参ります。

SCENE OF SURGERY治療中の様子

※手術中患部の画像がございます

CONSULTATION DAYリンパ浮腫外来診察日のご案内

12月
  • 12月11日(金)
    午前・午後ともにご予約満了のため、締め切りました。
  • 12月16日(水)
    午前・午後ともにご予約満了のため、締め切りました。
  • 12月17日(木)
    午前・午後ともにご予約満了のため、締め切りました。
1月
  • 1月20日(水)
    午後 外来予約受付中です。
  • 1月21日(木)
    午前・午後ともにご予約満了のため、締め切りました。
  • 1月22日(金)
    午前・午後ともにご予約満了のため、締め切りました。

APPOINTMENT予約・受診方法

初診のご予約

初診の方はこちらから
初診予約をする
お電話で、初診の予約をご希望の方は 、03-5215-5755までお電話ください
外来、検査、保存治療、手術(日帰り手術が可能な方)の全てを当センターで行うことができます。
事前に、現在おかかりの主治医からこれまでの治療歴や今後の治療方針が記載された紹介状(診療情報提供書)、
お薬の情報を可能な限りご用意の上、ご予約下さい。

クリニックまでのアクセス

東京メトロ半蔵門駅より徒歩5分、
都営新宿線・JR線市ヶ谷駅より徒歩8分、
東京メトロ麹町駅より徒歩9分

アクセス方法

受診方法

※リンパ浮腫検査以外の診察や手術は、保険診療となります。
  • 初診(1回目)
    初診(東京リンパ浮腫手術センター)
    浮腫の診察、これまでの手術内容や既往歴の確認、四肢サイズの計測、超音波検査
  • 再診(2回目)
    初診(東京リンパ浮腫手術センター)
    リンパ管造影検査
    (自費のみとなります。診察費・消費税込みで¥6,600)
    所要時間 約1時間
    場所 外来診察室
    対象 初診でリンパ浮腫が強く疑われる方、リンパ浮腫を強く疑わないが検査をご希望される方
    ※過去に造影剤アレルギーや喘息などをお持ちの方は、検査できない場合があります。
  • 手術の必要あり
    手術(当センターでの日帰り手術 or 連携機関での入院手術)の予約
    必要時検査の追加(リンパシンチグラフィー、CT、MRIなど)
    リンパケア外来との連携
    手術の必要なし
    リンパケア外来継続
  • 定期的な診察(フォロー)
    外来での定期的な診察・フォロー継続
    (半年または1年に1回程度)
    ※リンパケア(保存療法)外来とリンパ管造影以外の診察や手術は、全て保険診療の対象となります。

REPRESENTATIVE CASES代表症例

  • 乳癌術後上肢リンパ浮腫(70代女性)
    35年前に左乳癌に対して左乳房+大胸筋切除術、腋窩リンパ節郭清術、放射線治療術を受けました。3年前から、左上肢のリンパ浮腫が出現し、保存療法を行いましたが、症状が徐々に悪化しました。ここ数年は蜂窩織炎(40℃程度の発熱)を頻繁に繰り返し、社会生活を送ることや保存療法を継続することが大変難しい状態でした。当センターにおいて、血管柄付きリンパ節・リンパ管移植術を行い、術後は浮腫の改善に加えて、蜂窩織炎もほぼ消失しました。
  • 乳がん術後上肢リンパ浮腫(50代女性)
    4年前に左乳癌に対して左乳房切除術、腋窩リンパ節郭清術、化学療法を受けました。2年前から、左上肢のリンパ浮腫が出現し、保存療法を開始するも、症状が徐々に増悪。蜂窩織炎を繰り返したり、手が握れず家事がしにくくなってきました。保存療法に強い抵抗を示したことから、当センターにおいて、リンパ管静脈吻合術を行い、術後は術前同様の圧迫は継続しているものの、浮腫の改善に加えて、蜂窩織炎もほぼ消失し、家事も以前よりできることが多くなった。
  • 前立腺癌術後両下肢リンパ浮腫(60代男性)
    6年前に前立腺癌に対してロボット支援下前立腺全摘術、拡大骨盤内リンパ節郭清術を受けました。治療後から、左下肢のリンパ浮腫が出現し、保存療法を行いましたが徐々に症状が悪化しました。その約6か月後より右下肢や陰部のリンパ浮腫も出現しました。ここ数年は年2〜3回程度の蜂窩織炎(39℃程度の発熱)が起こり圧迫療法を行うことも、社会生活を送ることも大変難しい状態でした。当センターにおいて、両下肢で局所麻酔下リンパ管静脈吻合術を行い、蜂窩織炎が起こらなくなったことで圧迫療法を行えるようになり、浮腫は軽減し、現在では超弱圧でのストッキングで生活されています。
  • 子宮頚癌術後左下肢リンパ浮腫(50代女性)
    12年前に子宮頚癌に対して準広汎子宮全摘術、骨盤内リンパ節郭清術を受けました。2年後から、左下肢リンパ浮腫が出現し、保存療法を行いましたが徐々に症状が悪化し、蜂窩織炎(39〜40℃程度の発熱)も頻発していました。圧迫療法を行うことが大変難しく、日常生活でも制限が少しずつ出てきたため、当センターでの入院での集中廃液を行い、圧迫療法が可能となり浮腫は若干軽減いたしました。さらに、全身麻酔下でリンパ管静脈吻合術と大腿部の脂肪吸引術を行い、さらなる浮腫の改善を認め、以前よりも大幅に生活の質が改善しました。
※治療経過説明に加え、治療前・後の被写体の状態や、撮影条件は同一としており、
「医療機関ホームページガイドライン(厚生労働省)」に則り医学的に正確な情報を掲載しております。

FOLLOW UP術後の経過フォロー

術後2~3週後 創部の確認(抜糸が必要になる場合もあります。)
術後3ヵ月後 リンパ浮腫の状態の確認、保存療法の調整
術後6ヵ月後 リンパ浮腫の状態の確認、保存療法の調整
必要に応じて、ICGリンパ管造影や、リンパ管シンチグラフィーの再撮影
術後1年 同上